バランス型フィルタ出力の切り替えを1チップで実現

2007年11月5日

X(クロス)SP3Tスイッチ NJG1655SCCのサンプル配布開始

新日本無線では、CDMA 3バンドおよびUMTS※1 3バンドの携帯電話端末、データ通信カードで使われている平衡信号用のフィルタ(バランス型フィルタ)の切り替えに最適なX(クロス)SP3T(シングル・ポール・トリプル・スロー; single pole triple trough)スイッチIC、NJG1655SCCの開発を完了しサンプル配布を可能としました。

NJG1655SCCは、SP3Tスイッチ2回路およびロジック回路で構成され、バランス型フィルタなど(2ポートで1出力)の3回路から1回路を選択する切り替え機能を持ったスイッチICです。
  携帯電話の受信回路ブロックでは、アンテナを通過した受信信号はバランス型フィルタ(バンドパスフィルタとバランを組み合わせ一体型にしたフィルタ)にて平衡信号※2に変換された後、RF-IC(Radio Frequency IC;無線周波数帯信号処理IC)で信号処理されますが、バランス型フィルタからの平衡信号出力は2本の信号線で送られるため、2本の信号線の切り替えが容易にできるバランス型信号切り替え用スイッチが必要になります。
  NJG1655SCCは、SP3TスイッチICを2回路内蔵し、2回路を連動させて切り替えることで、3系統の平衡信号の切り替えを1チップで実現できます。

  また、近年の携帯電話の多バンド化により、バンド信号の切り替えを行うRF-ICのピン数が増加し、RF-ICが大型化してしまうという問題点があります。 NJG1655SCCを使用することにより、RF-IC外部で信号を切り替える事が可能となり、RF-ICのピン数の削減(3バンドの場合、信号入力ピンが6本→2本に) および小型化も可能とします。

さらに、NJG1655SCCでは、外部での信号配線を交差させることなく接続する X(クロス)形式※3のスイッチを採用した事で実装基板上での信号の交差がなくなり、基板設計が容易になります。

NJG1655SCCの主な特徴
  • IC内部で信号を交差させ、IC外部(実装基板上)では、信号を交差させる必要がない。
  • SP3Tスイッチを2個使用するよりも、実装面積が小さい。
  • バランス信号間の位相差が±3度以内と非常に小さい。
  • ESD保護回路内蔵。
  • 低コントロール電圧( VCTL(H) = +1.3V min. )。

などの特徴を有しています。

用語解説
 
※1
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ヨーロッパの第3世代(3G)移動体通信システム。
IMT-2000準拠の通信方式の欧州標準で、最大通信速度は2Mbps。現在用いられているGSM標準の発展形で、日本でもNTTドコモが推進しているW-CDMAと、ヨーロッパ独自のTD-CDMAの両方式から選択することができる。
※2
平衡信号とは差動型、ディファレンシャル(differential)とも呼ばれ、データ伝送に1対の信号線を使い、信号線間の電位差で信号を表します。グランドレベルに左右されないため、不平衡信号に比べてノイズに強く、より長距離より高速通信に対応できます。
※3
IC内部にて信号を交差させ、IC外部での信号交差をなくした形式。
<開発製品一覧>
製品名 機  能 応  用 外 形
NJG1655 バランス型信号切り替え
X(クロス)SP3Tスイッチ
携帯電話、データ通信カード PCSP20-CC
NJG1655SCC
<製品の機能および特徴の概要>
· 低動作電圧   VDD = +1.5~+4.5V
· 低コントロール電圧   VCTL(H) = +1.3V min.
· 低挿入損失   0.4dB typ. @f=1.0GHz, PIN=0dBm, VDD = 2.7V
0.5dB typ. @f=2.0GHz, PIN=0dBm, VDD = 2.7V
· 消費電流   20µA typ. @VDD = 2.7V
· コントロール電流   5µA typ. @VCTL(H) = 1.8V
· パッケージ   PCSP20-CC ( 2.7× 2.7× 0.8mm )
<生産予定/サンプル価格>
弊社では、NJG1655SCCのサンプル配布を2007年10月より開始し、生産は2008年3月より月産30万個で立ち上げる予定です。
なお、サンプル価格は@¥100です。

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