技術情報 ~マイクロ波製品~

マリンレーダ装置の不要輻射抑制に向けた取り組み

3.不要輻射抑制の具体策
 
マグネトロンで全ての不要輻射を抑制する事は構造上困難ですが、レーダー装置にフィルタを挿入する事で不要輻射の抑制が可能になります。
フィルタ挿入の際は,フィルタと周辺回路素子との位置(位相)関係でフィルタ特性が変化するため、設計上のフィルタ性能が得られない場合があり、挿入位置の適正化が必要となります。また、フィルタの反射周波数帯域がマグネトロンの多空胴共振モードに影響を与えるため、マグネトロンから予想外の不要輻射を生ずる場合があり、このような現象を避けるためにはマグネトロン・フィルター間にアイソレータが必要となります。さらに、十分な耐電力特性を有するフィルタ選定も重要となります。
(マグネトロン+アイソレータ+フィルタ)の組み合わせでπ-1モード不要輻射を除去した場合のスペクトラム例を下記に示します。
フィルタグラフ フィルタグラフ説明
4.不要輻射の測定方法
 
測定方法については、勧告ITU-R M-1177にガイダンスとして規定されております。
不要輻射の測定方法
5.不要輻射規制の強化に対する取り組み
 
国際電気通信連合では、勧告ITU-R SM1541 ANNEX 8に規定されるマスクの傾斜を-20dB/decadeから-40dB/decadeに厳しくする事やスプリアス領域のレベルを-60dBcから-80dBcに厳しくする等の議論が行われており、不要輻射に関する規制は今後も厳しくなっていくと推定されます。
フィルタグラフ
Xバンドマリンレーダー装置の例
当社は、このような動向に追従できる様、帯域外発射領域におけるマグネトロンスペクトラムの改善やフィルタ特性の改善に対して研究・開発を継続して参ります。
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